いちたすにぶんのいち

文体も内容も頻度もむちゃくちゃ

panpanyaを紹介する

panpanyaのことは長くゆったりと推していきたいと思うのであまりファンが増えてもしょうがないかなと思うのだが、私が紹介文を書いたところで大して影響もないだろうし書くことにする。

前に一度twitterで装丁がめちゃ凝ってると言ってバズってたのでもしかしたら見たことがある人もいるかもしれない。全部凝ってるので是非買ってほしい。パンパンヤと読む、らしい。

panpanyaの描くものは要するに雰囲気マンガだ。そして、足摺り水族館の帯にある「寝入りばなに見る夢のような作品たち」という言葉でほとんど説明できる。でもそれだけでは意味がわからない。

私は雰囲気マンガをそれほど読んではいないのでなんとも言えないのだが、「虹ヶ原ホログラフ」とか、「ねじ式」とか、アニメだけど「輪るピングドラム」とか、その辺の雰囲気重視の作品はどうも苦手だ。何がダメかというと、地に足ついてない、現実なのに現実じゃない感じがぞわぞわするのだ。

若干脱線するけど、USJのハリポタの3Dの乗り物に乗って、途中で止まってしまったことがある。あの時はめちゃくちゃ怖かった。せっかく空想の世界を楽しんでいたのに、その世界が一瞬で崩れてしまう恐怖。(思うにリコールのCMが怖いのも同じだと思う。)

なんというか、雰囲気マンガには、そういう見ているものを担保してくれない空気があると思う。

そこでpanpanyaである。

panpanyaが推せるのは、最後に必ず我々を現実に返してくれるところだ。さっき引いたように、夢なのである。きちんと目覚めまで描いてくれる。読者は不思議世界に置いてけぼりにならずに、現実に立ち返ってこれる。

それは置いておいても、panpanyaの視点は素朴で、日常的で、SF=すこしふしぎと呼ぶような世界観がある。それだけでも十分お勧めするに足ると思うが、とにかく私が推したいのは、上記の点だ。

雰囲気マンガが苦手な人にはぜひ一度手に取ってもらいたい。あと装丁フェチの人。

そうでないなら市川春子の初期短編集も似た感じ。もうちょっと意味不明寄りだけど。(宝石の国は読んでないのでコメントは差し控えます)